1-2 | みんなのアイデアが物語になっていくブログ~出版を目指そう~★★★

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===============本編開始==============


「ただいま」

藤井未来は、玄関で靴を脱ぎながら言った。

この家には、"初めて"帰る。


『自宅』には、違和感があった。
置いてある家具などはリアリティにあふれている。

壁紙の隅は黄色く変色しかけているところがあり、無造作に立てかけられた傘の中には『春子』が子供の頃に使っていた小さな花柄の傘がある。

また、靴箱の上には『母親』が趣味の教室で作ったと思われる牛乳パックの籠が、ほこりをかぶった状態で置いてある。

下を見ると視界に入る、薄汚れたスニーカーは『兄』のものだろう。
女性物の靴が1つと、スニーカーが1つ。
『父親』はまだ帰宅していないようだ。


「あら春子、意外と早かったのね」
不意に未来に廊下の奥から聞こえた。

『母親役』の山辺沙織は、写真では確認しているものの初めて対面する未来に対して本物の親子であるかのようにキッチンから声をかけた。

(春子って誰だっけ?ああ、あたしのことか、忘れてた。)

未来は、はっと『自分の名前』を思い出した。

「春子、手伝ってくれる?」

「うん、制服着替えるから待ってて。」
緊張を押し隠して答えた。

未来は『母親役』の年齢は知っていたから、声の感じで判別できた。
・・・四十代後半、女性。

もちろん未来は、『母親役』の『山辺沙織』という本当の名前を知らないし、彼女がなぜこの『カゾクゲーム』に参加したのかも全く知るところではない。

この初めて接する"日常"により、未来は今までに無い不思議な感覚を覚えた。


・・・今日からこの家で、『他人』である『家族』との生活が始まる。



父役:????=本名:????
母役:????=本名:山辺沙織(やまべさおり)45歳
兄役:????=本名:????
妹役:春子=本名:藤井未来(ふじいみき) 17歳

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山ごりらさん・麻草さんpinknokonpeitoさん、文章使わせていただきました。ありがとうございます。



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