1-3 | みんなのアイデアが物語になっていくブログ~出版を目指そう~★★★

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===============本編==============


2階にある自分の部屋で私服に着替えた未来は、台所に降り、『母親役』である沙織の横に歩み寄る。

未来の表情は笑顔とも無表情とも表現しがたい表情になっていた。

近くまで寄ると沙織が未来に気づき、胸元のリボンを見て言った。

「あら春子、その服どこで買ったの?リボンが可愛いわね」

初対面とは思えない笑顔だった。

「えっと・・・どこだったかな、忘れちゃった」と未来は答えた。

忘れたのではない、未来が買った服ではないので、買った店など当然知らなかった。

しかし服の好みについては、未来の好みにマッチしたものが用意されていて、年頃の女の子ながらファッションにこだわりを持つ未来にとっても納得のいくものだった。

「そう、今度一緒にお買い物にいかなきゃね。ママにも良いお店紹介してもらわなくちゃ。」
と沙織は言った。

違和感というより、疑問が広がる。

40代後半にもなって、母親役としてこのカゾクゲームに参加することを希望した沙織。

何故だろう。

『今までの生活』に何か不満でもあったのだろうか。

だが、それを問うことは許されない。

『今までの生活』について触れることは、カゾクゲームのルールで禁止されている。

未来は自分の参加理由を思い出しながら、まだ聞ける質問ではないな、と気になりつつも心に留めておくことにした。

とりあえず、このカゾクゲームに早く慣れなければいけない。
きっとこの『母親役』も、自分と同じ心境のはずだ。

自ら応募したからといっても、初対面の赤の他人と家族として生活するというこの状況に、すぐに慣れるわけがない。自然でいられるまでにどのくらいの時間がかかるのだろう。


未来は沙織の横に立ちながら、そう考えていた。




父役:????=本名:????
母役:????=本名:山辺沙織(やまべさおり)45歳
兄役:????=本名:????
妹役:春子=本名:藤井未来(ふじいみき) 17歳

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刹那さん、文章使わせていただきました。ありがとうございます。



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